コラム

足場の組立て等特別教育について

足場の組立て等特別教育とは

建設業における労働災害は、長期的には減少傾向にあるものの、近年、全産業に占める割合は、死亡災害の約 3 割と依然として高く、特に建設業における死亡災害のうち約 4 割が墜落・転落によるもので、 なかでも足場からの墜落・転落は、そのうちの約 2 割を占めています。
このような状況を受けて、厚生労働省では、足場からの墜落防止対策として、平成 27 年 3 月に安衛則の一部改正を行い、平成 27 年 7 月 1 日から足場の組立て等の作業に従事する労働者に対し、特別教育の義務化を行いました。
特別教育は、こういった危険又は有害な作業を安全に実施するために、必要な知識や技能を身に付けて頂くためのものであり、労働災害の防止に寄与します。

足場の組立て等特別教育の内容

足場及び作業の方法に関する知識
足場の種類や材料、構造及び組立図、足場の組立て、解体及び変更作業の方法などについて。

工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識
工事用設備及び機械の取り扱い、器具及び工具、悪天候時のおける作業の方法について。

労働災害の防止に関する知識
墜落防止のための設備、落下物による危険防止のための措置について。 保護具の使用方法及び保守点検の方法について。

関係法令
法、令及び安衛則中の関係条項について。

足場資格の違い

足場の組立て等作業主任者技能講習と足場の組立て等特別教育の違いについて

【足場の組立て等作業主任者技能講習】

労働安全衛生法

第14 条 作業主任者
事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要とする作業で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該作業の区分に応じて、作業主任者を選任し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。

労働安全衛生法施行令

第6条 作業主任者の選任が必要な業務
つり足場、張出し足場又は高さが5m以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業

【足場の組立て等特別教育】

労働安全衛生法

第59条 安全衛生教育
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならない。

労働安全衛生規則

第36条 特別教育を必要とする業務
第59条3項の業務は、次のとおりとする。
19 足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務
  (地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く)

労働安全衛生規則の改正により工事現場の仮設足場からの墜落災害防止措置を強化するため「特別教育」が義務化されました。平成27年7月1日の施行日以降、新たに足場の組立てなどの作業に就く労働者は、「特別教育」を受講しなければ作業に就くことができなくなりました。
特別教育は、現に足場の組立て、解体又は変更に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く。)に従事している者についても、この特別教育を受講しなければならなくなりました。
安全衛生特別教育規程第22条に規定する足場の組立て等の業務に係る特別教育のカリキュラムは、次のとおりです。

 科目時間
学科教育足場及び作業の方法に関する知識3時間
工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識30分
労働災害の防止に関する知識1時間30分
関係法令1時間
 6時間
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