コラム

フルハーネス型墜落制止用器具使用作業特別教育

フルハーネス型墜落制止用器具使用作業特別教育とは

安衛法第 59 条第3項の特別教育の対象となる業務に、「高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(ロープ高所作業に係る業務を除く。)」が追加されます。特別教育の対象となる業務を行う者は、下表Ⅰ~Ⅴの科目(学科 4.5 時間、実技 1.5 時間)を受講する必要があります。

引用:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000473567.pdf

フルハーネス特別教育カリキュラムと受講時間

学科科目範囲時間
Ⅰ 作業に関する知識
  • 作業に用いる設備の種類、構造及び取扱い方法
  • 作業に用いる設備の点検及び整備の方法
  • 作業の方法
1時間
Ⅱ 墜落制止用器具
(フルハーネス型のものに限る。以下同じ。)
に関する知識
  • 墜落制止用器具のフルハーネス及びランヤードの種類及び構造
  • 墜落制止用器具のフルハーネスの装着の方法
  • 墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法及び選定方法
  • 墜落制止用器具の点検及び整備の方法
  • 墜落制止用器具の関連器具の使用方法
2時間
Ⅲ 労働災害の防止に関する知識
  • 墜落による労働災害の防止のための措置
  • 落下物による危険防止のための措置
  • 感電防止のための措置
  • 保護帽の使用方法及び保守点検の方法
  • 事故発生時の措置
  • その他作業に伴う災害及びその防止方法
1時間
Ⅳ 関係法令安衛法、安衛令及び安衛則中の関係条項0.5時間
実技科目範囲時間
Ⅴ 墜落制止用器具の使用方法等
  • 墜落制止用器具のフルハーネスの装着の方法
  • 墜落制止用器具のランヤードの取付け設備等への取付け方法
  • 墜落による労働災害防止のための措置
  • 墜落制止用器具の点検及び整備の方法
1.5時間

フルハーネス受けないとどうなるか?

法的リスク
労働安全衛生法違反:
フルハーネス型墜落制止用器具を使用する高所作業者が特別教育を受けない場合、労働安全衛生法および関連規則に違反することになります。これにより、事業者や作業者に対して罰則が科される可能性があります。

罰則や罰金:
法令違反が認められた場合、企業や個人に対して罰金や営業停止などの行政処分が課される可能性があります。

安全性のリスク
墜落事故のリスク増大:
特別教育を受けないと、フルハーネス型墜落制止用器具の正しい使用方法や装着方法を知らないため、墜落事故のリスクが増加します。これは作業者自身の命に関わる重大な問題です。

事故時の適切な対応ができない:
特別教育では、墜落事故が発生した際の対処方法や緊急時の対応方法も学びます。これを受けていないと、事故発生時に適切な対応ができず、被害が拡大する可能性があります。

企業への影響
業務の停止や遅延:
労働災害が発生した場合、事故現場の調査や対策のために業務が一時停止したり、遅延することがあります。これにより、企業の生産性や信頼性に影響が出る可能性があります。

経済的損失:
事故による損害賠償や罰金、医療費などの経済的負担が企業に生じることがあります。また、安全対策の強化や再教育のための追加コストも発生します。

フルハーネス特別教育を受けることは、作業者自身の安全を守るためだけでなく、法的リスクを回避し、企業の業務を円滑に進めるためにも非常に重要です。この教育を受けることで、作業者は高所作業におけるリスクを最小限に抑え、労働災害の発生を防ぐことができます。

ページトップ